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波の力で「小水力発電」、港湾の設備をそのまま使える:自然エネルギー(2/2 ページ)
波は水の運動そのものであり、発電機と接続すればすぐにでも電力が得られるように見える。しかし、実用的なシステムを設計するには日本固有の条件も考えなければならない。関西電力が大阪市立大学と共同で進める調査を紹介する。
福井県で調査を開始
2013年9月には、関西電力と大阪市立大学が共同で波力発電の可能性調査を、福井県敦賀市の敦賀港鞠山北防波堤で開始した(図3)。福井県が進める「エネルギー研究開発拠点化計画」の取組みの1つとして、2012年11月から、関西電力と大阪市立大学が国、福井県、敦賀市の協力を得て準備を進めてきたものだ。
スリット式防波堤のスリットを1つ選び、そこに2つのセンサーを取り付ける。「小型電磁流速計」と「超水圧式波高計」だ(図4、図5)。海面下の装置の高さは約40cmである。
2014年8月までスリットを通過する海水の流速や防波堤前面の波高などのデータを計測し、1年を通じた波の変化を記録する。2014年9月から2015年度中まで大阪市立大学が中心となってデータ分析を進めた後、シミュレーションなどの理論検証に入り、水車の最適設計につなげていく計画だ。
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