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小水力発電所を北海道の真ん中に、夏の流量は冬の2倍:自然エネルギー
主力の火力発電に加えて再生可能エネルギーを全国で拡大中のJ-POWER(電源開発)が初めての小水力発電所を建設する。北海道の中央を流れる十勝川にあるダムからの水流を生かして、最大470kWの発電を可能にする計画だ。季節によって流量が変動し、夏季には冬季の2倍になる。
広い北海道のほぼ真ん中を流れる十勝川の流域には、河口までのあいだに大規模なダムや水力発電所が数多くある。発電事業者のJ-POWERは8カ所の水力発電所を十勝川の水系で運転している。
そのうちのひとつ「熊牛発電所」(出力1万5400kW)の上流にある「屈足(くったり)ダム」で、小水力発電所の建設工事を10月1日に開始した(図1)。
屈足ダムからは下流地域の治水や環境保護を目的に、一定の「河川維持流量」を流し続けている。通常の水力発電では利用しない少量の水流だが、これを小水力発電に活用することにした。「くったり発電所」はJ-POWERで初めての小水力発電所として、2015年4月から稼働する予定だ。
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