ニュース
最新鋭のガス火力発電所を九州・大分に、2016年に48万kWで運転開始:電力供給サービス
原子力を除いて九州で最大の発電能力がある「新大分発電所」で、最新鋭のガス火力発電設備の建設が始まった。現時点で最高レベルの熱効率60%を発揮するガスコンバインドサイクル方式を採用して、48万kWの電力を供給することができる。九州の夏のピーク時の電力需要の3%に相当する。
新大分発電所は稼働中の13基すべてが天然ガスを使った火力発電設備で、合計すると発電能力は229.5万kWに達する(図1)。新たに建設を開始した14基目の「3号系列第4軸」を加えると277.5万kWに増えて、再稼働を申請中の玄海発電所3・4号機(236万kW、原子力)も上回り九州で最大の発電所になる。
新設備は火力発電の中では最も効率が高い「ガスコンバインドサイクル発電」を採用して、既存の13基を超える発電能力を発揮することができる。コンバインドサイクルは1度に2種類のタービン(ガスと蒸気)を回して発電する方式で、同じ量のガスから得られる電力が通常の約1.5倍になる(図2)。燃料費の削減と合わせてCO2の排出量も削減できる一石二鳥の発電方法である。
すでに国内で稼働している同様の火力発電設備では、東京電力が2013年2月に運転を開始した川崎火力発電所の「2号系列第1軸」(50万kW)や、関西電力が8月から運転を開始した姫路第二発電所の「新1号機」(48.7万kW)がある。いずれの設備も熱効率(発熱量に対して得られる電力)が60%程度に達して、通常の火力発電の約40%と比べて1.5倍の効率を発揮している。
関連記事
- 「高効率火力発電」が最重要テーマに、クリーンエネルギーによる国の成長戦略
進化する「コンバインドサイクル発電」 - 新型の火力発電が相次ぎ運転開始、東京電力の供給力が大幅に増加
燃焼温度1500度のガスコンバインドサイクル方式 - 最新の火力発電設備が試運転開始、関西電力の供給力が大幅増加
姫路第二発電所、今後2年間で合計6基が稼働 - 火力発電でCO2排出量が増加、最大の問題は石油
高効率のガスや石炭に発電設備を転換へ - 地熱発電で圧倒的な規模、再生可能エネルギーで日本の先頭を走る
日本列島エネルギー改造計画(44)大分
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.