地上絵のような円形のメガソーラー、KDDIが受信所の跡地に建設:スマートファクトリ
携帯電話3社を含む大手通信会社グループが再生可能エネルギーの導入を加速させている。KDDIは京セラをパートナーにメガソーラー事業を拡大中で、自社の遊休地にも相次いで建設する計画だ。第1弾のメガソーラーが茨城県内にある受信所の跡地で運転を開始した。
大規模な通信施設は電波を全方位に送受信する必要があるために、用地が円形になっているケースが少なくない。KDDIが同社初のメガソーラーを建設した「旧北浦受信所跡地」も円形の土地だ。太陽光パネルを設置した状態を上空から見ると、まるでナスカの地上絵のように見える(図1)。
これまでの日本のメガソーラーの中で最も美しいデザインを実現したと言ってもよいだろう。自然環境との調和を図る再生可能エネルギーの発電設備は、景観を損なわないことも重要な課題になる。
茨城県にある旧北浦受信所は短波通信の中継基地として使われてきたが、近年は跡地が遊休地の状態になっていた。7万8000平方メートルある円形の土地に2MW(メガワット)の太陽光発電設備を設置して、11月18日から運転を開始した。年間の発電量は260万kWhを見込み、一般家庭で約700世帯分の電力を供給することができる。
このほかにKDDIは茨城県と栃木県にある通信施設でもメガソーラーの建設を進めていて、2013年度中に稼働させる予定だ。3カ所を合計すると発電能力は8.8MWになり、年間の発電量は1100万kWhを超える(図2)。
メガソーラー事業では鹿児島県で11月1日に運転を開始した日本最大の「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」(70MW)にもKDDIは出資している。これらのプロジェクトを含めて、通信事業と同様に筆頭株主の京セラと共同歩調をとる。メガソーラーの太陽光パネルには京セラ製を採用している。
携帯電話3社の中では、ソフトバンクグループが三井物産やシャープと組んでメガソーラーを全国に展開中だ。NTTグループではNTTファシリティーズが中核になって、企業の遊休地を活用したメガソーラー事業を積極的に拡大している。通信もエネルギーも公共性が強く、今後は各社が双方を連携させたサービスを提供する可能性もある。
関連記事
- 鹿児島の巨大メガソーラーが完成、70MWの発電能力は国内で圧倒的ナンバー1
総事業費は270億円、京セラなど7社が出資 - 100MW超のメガソーラーが北海道に、2015年度の冬に運転開始へ
ソフトバンクグループと三井物産が共同で - 14カ所のメガソーラーを稼働、NTTファシリティーズが発電事業を急拡大
発電規模は合計で49MW、さらに5カ所で建設中 - 携帯電話の基地局でも節電対策、太陽光発電と蓄電池を100か所に設置へ
KDDIが2016年度の電力消費量を30%削減 - 停電でも基地局は動く、ドコモが太陽光発電と蓄電池をセットで導入開始
災害に強い「グリーン基地局」を展開
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.