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稼働後22年のごみ焼却施設を更新、廃熱で発電と給湯も:スマートシティ
高知県の3つの市が共同で運営する清掃組合が新しいごみ処理施設の建設を開始した。稼働から22年を経過した設備を更新するもので、燃焼効率を高めて有害物質の排出量を低減させるほか、廃熱を利用して発電と給湯も実施する。建設費は約68億円で、2017年4月に運用を開始する予定だ。
高知県の香南(こうなん)市にある「香南清掃組合」では、隣接する南国市と香美(かみ)市を加えた3市で発生する可燃ごみを焼却処理している。現在の焼却プラントは1992年の運転開始から22年を経過して老朽化してきたために、高効率の最新設備に更新することにした(図1)。
新たに導入する焼却プラントはJFEエンジニアリングが設計・建設を担当する。同社が独自に開発した「高温空気吹き込みによる低空気比燃焼」と呼ぶ方式を採用して、焼却時に発生する有害物質を低減する一方、より多くの廃熱を回収する点が特徴だ。
すでに大阪府では複数の自治体が焼却プラントに採用している方式で、高温の空気をごみ層の上部に吹き込んで、少ない空気量で完全燃焼させることができる(図2)。空気の量が減ると、燃焼後の排ガスと一緒に放出する熱量も減るために、廃熱の回収率が高くなる。
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