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小水力発電を農業に生かす、設備利用率は87%と高い自然エネルギー(2/2 ページ)

岐阜県中津川市に完成した小水力発電所は売電収益をそのまま農業環境整備に使う。高い設備利用率が得られる立地を選ぶことで実現した。

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農業の邪魔にならない発電所

 加子母清流発電所と関連施設などの関係を図3に示す。加子母川(白川の最上流部)には、発電所の計画以前から、小郷用水に取水するための設備である頭首工(とうしゅこう)が設けられている。小郷用水をショートカットする形で上水槽と付属する除塵機、管路、発電設備を建設し、発電後の水は小郷用水にそのまま戻す。「頭首工と発電所の間には農業用水の受益者がいないため、発電所を建設しても、農業には影響がない」(農地整備課)。


図3 発電所と付帯設備などの関係 出典:岐阜県

 上水槽の役割は、水をためて圧力を調整することと、小さなゴミの除去だ。管路は水を発電所に送るためのもの。直径70cmの強化プラスチック製であり、長さは1069mある。上水槽と発電所の高低差は64.6m、有効落差は61.55mだ。発電所では横軸フランシス水車とかご型三相誘導発電機で電力を生み出す(図4)。


図4 水車(手前)と発電機の外観 出典:岐阜県

 加子母清流発電所の総事業費は3億3800万円。農林水産省の農山漁村地域整備交付金(地域用水環境整備事業)を用いており、事業費の負担率は、国50%、岐阜県25%、中津川市25%。

 岐阜県が事業主体となり、2011〜2013年度にわたって作り上げた。2011年度は詳細設計、2012年度は管路工事と発電設備の製作、2013年度は発電設備の据え付けと建屋の工事を進めた。完成後は県が市に設備一式を無償で譲与している。

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