6年前に閉鎖した瀬戸内の繊維工場、巨大メガソーラーへ再生:自然エネルギー
瀬戸内工業地帯にある繊維工場の跡地に、発電能力12.5MW(メガワット)のメガソーラーが誕生する。富士紡グループが2008年に閉鎖した香川県の工場で16万平方メートルの広さがある。2年後の2016年3月に運転を開始して、3600世帯分の電力を供給する予定だ。
メガソーラーの建設予定地は瀬戸内海に面した香川県の観音寺市にある(図1)。この一帯は古くから繊維産業が盛んだが、近年は産業構造の変化に伴って工場を閉鎖するケースが少なくない。沿岸部にある平坦で広大な跡地はメガソーラーに適している。
富士紡グループは2008年に閉鎖した豊浜工場の跡地を、メガソーラー用地として四電工グループに賃貸することを決めた。四電工グループは約16万平方メートルの敷地いっぱいに太陽光パネルを設置して、2016年3月をめどに運転を開始する計画だ(図2)。発電能力は12.5MW(メガワット)になり、年間の発電量は1300万kWhを想定している。一般家庭で3600世帯分の電力使用量に相当する。
四国を中心に電気設備工事を手がける四電工グループは2013年から太陽光発電事業を開始して、すでに計画は10カ所に広がっている(図3)。愛媛県でも同様に繊維工場の跡地を利用して9.4MWのメガソーラーを建設中だ。11カ所の設備を合計すると35MWになり、年間の発電量は1万世帯分を超える規模になる。
11カ所の中で最初のメガソーラーは香川県三豊市に建設した「サンシャインパーク仁尾」で、2013年10月に運転を開始している(図4)。この場所は1981年に世界初のメガソーラー(ただし太陽熱を利用)が稼働した歴史的なところで、32年ぶりにメガソーラーが復活したことになる。瀬戸内の工業地帯に太陽光発電が再び広がってきた。
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