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標高1400メートルの牧場にメガソーラー、高い発電効率で1400世帯分の電力:自然エネルギー
避暑地として有名な長野県の白樺高原で、発電能力4.2MW(メガワット)のメガソーラーの建設工事が始まった。標高1400メートルの高原は夏の気温が低く、日射熱による太陽光発電の効率低下が少なくて済む。発電効率は国内の標準値を上回る14%を見込んでいる。
長野県の白樺高原の北側に、東京ドーム45個分に相当する広さの「長門牧場」がある。自家生産した牧草で200頭の乳牛を飼育して乳製品を生産している。この広大な牧場の2カ所にメガソーラーを建設する(図1)。NTTファシリティーズが牧場から用地を賃借して5月14日に着工した。11月下旬に運転を開始する予定だ。
メガソーラーの発電能力は4.2MW(メガワット)で、年間の発電量は520万kWhを見込んでいる。一般家庭で1400世帯分の電力使用量に相当する。この発電量をもとに設備利用率(発電能力に対する実際の発電量の割合)を計算すると14.1%になる。日本では太陽光発電の設備利用率は12〜13%が標準と考えられていて、それを上回る高い効率を得ることができる。
牧場がある白樺高原の一帯は夏でも気温が20度くらいまでしか上がらず、一方で冬の降雪量は少ない。一般に太陽電池は高温になると発電効率が低下する傾向があり、夏の気温が低い高原地帯は太陽光発電に向いている。しかも長野県の中部から南部は年間の日照時間が2000時間を超えて、国内の平均値(1881時間)を上回る。
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