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温泉バイナリー発電が実証実験から継続事業へ、長崎県の小浜温泉プロジェクト:自然エネルギー
温泉水を利用した地域の再生可能エネルギー導入プロジェクトとして先導的な役割を担ってきた長崎県の「小浜温泉バイナリー発電所」が実証実験を終了、新たな体制で事業化を図ることになった。同様の発電所を兵庫県で建設した実績のある洸陽電機が設備を買い取って事業化を進めていく。
小浜温泉は長崎県の島原半島にあって、海に面した温泉地として古くから知られる(図1)。2011年に地元の温泉事業者が中心になって「小浜温泉エネルギー」を設立して、温泉発電の先駆けになる「小浜温泉バイナリー発電所」を2013年4月に稼働させた。環境省の補助事業として2013年度に実証実験を終了したため、新たに洸陽電機が発電事業者として運営を引き継ぐ。
小浜温泉バイナリー発電所は低温の熱でも発電が可能なバイナリー方式の設備を3台導入して、合計210kWの発電能力がある(図2)。温泉水を利用した地熱発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は70%程度と高く、年間に130万kWh程度の発電量を見込むことができる。一般家庭で360世帯分の電力使用量に相当する。
ただし実証実験を担当してきた小浜温泉エネルギーによると、温泉の成分(湯の花)が配管などに固着して、発電効率の低下が生じる問題が明らかになっている。こうしたことから発電設備の運転維持費も増加するなど、事業化に向けた課題が残っている。
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