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330MWと世界最大級の地熱発電所、主要部品は日本製自然エネルギー(2/2 ページ)

東芝は2014年7月、インドネシアに立ち上がる世界最大級の地熱発電所にタービンと発電機を納入すると発表した。東芝の蒸気タービンが排出した低温蒸気は他社のバイナリー発電機で再利用する仕組みだ。

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日本企業が全面協力

 同プロジェクトの開発事業者はインドネシアSarulla Operations(SOL)。伊藤忠商事と九州電力、インドネシアのPT Medoco Power Indonesia、バイナリー発電技術を持つ米Ormat Internationalが共同で出資した企業だ。国内2社の出資比率は50%。開発資金は8行によるプロジェクトファイナンスで賄う*2)

*2) プロジェクトファイナンスとは将来のキャッシュフロー(売電収益)を返済原資とする資金調達方式。国際協力銀行とアジア開発銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテ ジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナル オーストラリア銀行が融資に参加した。

 SOLは設計・調達・建設(EPC)を韓国の現代建設に発注、現代建設は東芝から全ての地熱蒸気タービン・発電機を調達する。

 東芝が納入するのは発電設備の主要機器である「60MW地熱蒸気タービン・発電機」だ。3セット納入する。東芝によれば、機器性能と信頼性が評価されたためだという。「受注金額は3基で50〜60億円だ」(東芝)。1号機を2015年7月に出荷、2016年11月に運転を開始する。2号機は2016年6月出荷、2017年10月運転開始、3号機は2016年12月出荷、2018年4月運転開始だ。

 地熱発電市場では日本企業が健闘しており、メーカー別発電容量では東芝、三菱重工業、富士電機の3社で7割近いシェアを占めている。東芝によれば同社のシェアは23%であり、これはメーカー別で世界第1位であるという*3)

*3) 同社は1966年、国内初の地熱発電所である松川地熱発電所(岩手県)に20MWのタービン・発電機を納入している。その後、北米や東南アジア、アイスランドなど世界に52基を納入し、合計発電容量は約2800MWに達したという。

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