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電力の販売量が2カ月連続で前年を下回る、家庭・企業ともに減少:電力供給サービス
2014年に入って増加傾向を見せていた電力会社の販売量が再び減少に転じた。6月は前年同月比で1.7%の減少になり、2カ月連続で前年を下回った。家庭向けが2.8%減り、企業向けも1.0%減った。増加が続いていた工場などの産業用が0.2%減少して、すべての用途で前年割れの状態だ。
電気事業連合会がまとめた2014年6月の電力会社10社の販売電力量は627億9200万kWhで、前年6月から1.7%減少した(図1)。連合会では6月中旬の気温が低めに推移したために冷房需要が減少したことを要因の1つに挙げている。前年を下回ったのは5月の2.8%減に続いて2カ月連続である。
用途別では家庭・商店向けの「電灯」の販売量が5月から15%も減って、前年比でも2.8%の減少になった。企業のオフィスなどで利用する「業務用」は5月からは9%増えたものの、前年比では2.6%減で、家庭向けと同様に減少率が大きかった。もう1つの大口需要である工場などの「産業用その他」も5月から5%増えたが、やはり前年比では0.2%の減少になった。
震災以降に減り続けてきた電力会社の販売量だが、2014年に入ると1月から4月まで4カ月連続で前年を上回っていた。例年よりも気温が低く推移したほか、景気の回復によって工場を中心に産業用の電力使用量が増えたことも需要を押し上げる要因になった。ただし6月に産業用の販売量が前年を下回ったことで、今後も天候によっては再び減少傾向が続く可能性は大きい。
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