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まだまだ増やせる水力発電所、東北の豪雪地帯に1万4200kWを新設:自然エネルギー
東北電力グループが山形県の山岳地帯を流れる河川に水力発電所を新設する。既存の水力発電所からの放水に河川からの水流を加えて、より大きな発電能力を実現する計画だ。最大で毎秒25立方メートルに達する水量を、67メートルの落差で発電機に取り込む。運転開始は2019年を予定している。
豪雪地帯で知られる山形県の小国町(おぐにまち)は周囲を高い山に囲まれていて、険しい勾配の川を豊富な水が流れている。水力発電には最適な地域で、町内には東北電力グループの水力発電所が2カ所で運転中だ。さらに規模の大きい3つ目の水力発電所の建設が同じ川の下流で始まる。
小国町から日本海まで流れる荒川水系の玉川に、「玉川第二発電所」を新設することが決まった(図1)。上流には東北電力グループの「玉川発電所」があり、さらに上流にも同グループの「長者原発電所」がある。下流に行くに従って、より多くの水量を発電に利用できるため、落差が小さくても発電能力を大きくすることが可能になる。
新設する玉川第二発電所では、既存の玉川発電所が放流する最大で毎秒20立方メートルの水量に加えて、河川に設置する取水堰から5立方メートルの水量を取り入れる。取水堰から取り込んだ水は沈砂池で土砂を取り除いてから、玉川発電所の放流と合わせて導水路で水槽まで運ぶ。そこから66.8メートルの落差を使って発電機まで水を流し込む(図2)
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