テレビとHEMSを組み合わせた見守り、神奈川県で実験始まる:エネルギー管理
シャープは2014年8月、高齢者の見守りサービスなどを含む「地域課題対応型EMSサービス」の実証実験を始めると発表した。神奈川県大井町の10世帯を選び、参加者宅に機器を設置する。一般的なHEMSサービスの上に、生活支援サービスや健康管理サービスを載せた形だ。
シャープは2014年8月、高齢者の見守りサービスなどを含む「地域課題対応型EMSサービス」の実証実験を始めると発表した。神奈川県大井町の10世帯を選び、参加者宅に機器を設置する(図1)。65歳以上の高齢者を想定する。実証実験の期間は2015年1月から同3月まで。
実証実験の目的は2つある。地域住民が求めるサービスの範囲や利用条件などを検証することが1つ。もう1つはエネルギー管理(EMS)に安心・安全・健康管理を加えたソリューションの設計に役立てることだ。
3つのサービスを確かめる
実証実験では3つのサービスを提供する。まずは基本的なHEMS(家庭用EMS)サービスだ(図2)。コンセントとテレビや白物家電のプラグの間にHEMSコントローラーと通信するための装置を挿入し、使用電力や使用時間などの情報をシャープのクラウドサーバに送る。5台までの家電の情報を取得する。ユーザーはこれらの情報をタブレット端末やスマートフォンを用いて分かりやすくグラフの形で閲覧できる。電力の使い方に応じた節電応援アドバイスも受けられる。
2番目と3番目のサービスが実証実験の目玉だ。高齢者の見守りを実現する生活支援サービスでは、テレビを中心に据えた(図3)。テレビを見ているだけで見守りができるようにした。セットトップボックスを貸し出してテレビと接続することにより、図3中央下のような画面を表示できる。電源投入時に表示される体調アンケートに対して、リモコンの数字ボタンや矢印ボタンを操作して答えると、これが見守り情報になる。HEMSが集めた情報と組み合わせることで、精度の高い見守りが実現できるという。
見守り情報を市町村や民生委員、家族といった「サポーター」がモニターすることで、見守りが完結する形だ。
3番目のサービス「健康管理サービス」は電力の見える化や見守りからさらに一歩進んだHEMSの使い方を探る実証実験だ(図4)。タブレット端末に「未病倶楽部」というソフトウェアをインストールしておき、体温や血圧、服薬履歴情報を閲覧できるようにする。アンチイジングゲームもある。タブレット端末自体の操作情報を体調データやゲームの得点と組み合わせることで、サポーターがユーザーの健康情報を把握できるようにする。
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