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電力小売事業を支援するクラウド、IBMとエプコが10月に提供開始:エネルギー管理
欧米で浸透しているIT(情報技術)を駆使した電力小売事業の支援サービスが日本でも続々と始まる。ITサービス大手の日本IBMは住宅関連サービスのエプコと共同で、家庭向けの電力小売事業を支援するクラウド型の新サービスを10月から提供する予定だ。
両社はIBMの情報処理サービスとエプコのエネルギー管理サービスを組み合わせて、「電力小売事業者向けユーティリティサービス(仮称)」を10月から開始する。IBMはBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)やHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)のデータを集約して事業者に提供する機能などをそろえる予定だ(図1)。提供形態は複数の事業者がネットワークで共同利用するクラウド型のサービスになる。
このクラウド型のサービスを通じて、エプコが開発した電力小売事業者向けの業務支援機能や家庭向けの節電支援機能を提供する。事業者向けでは電力の需給管理を可能にするために、余剰電力の予測量と入札量の推移を表示する機能も用意する(図2)。
すでにエプコは家庭向けの節電支援サービス「ぴぴパッ!」をインターネットで提供している。このサービスでは気象予測の情報などをもとに、エプコ独自のアルゴリズムを使って節電目標を立ててアドバイスを与えることができる(図3)。今後はIBMのクラウドサービスと連携して、電力小売事業者がクラウド経由で家庭向けに提供できるようになる。
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