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電力事業を拡大する東京ガス、120万kWの火力発電所から全量買取:電力供給サービス
東京ガスはグループの電力小売事業を拡大するために、神戸製鋼所が栃木県に建設するLNG火力発電所の電力を全量買い取ることを決めた。電力に続いてガスの小売全面自由化が2017年にも実施される見通しで、電力とガスを組み合わせた総合エネルギー事業の競争力強化を図る。
神戸製鋼所は栃木県の真岡市(もおかし)に発電能力が120万kWに達する大規模な火力発電所の建設計画を進めている。LNG(液化天然ガス)を燃料に使って、最先端のコンバインドサイクル発電方式を採用する。1基あたり60万kWの発電設備が2基の構成で、1号機を2019年後半に、2号機を2020年前半に稼働させる予定だ。この発電所の電力を東京ガスが全量買い取る。
東京ガスは新電力で最大手のエネットを通じて電力の小売事業を展開している。エネットに供給する電力を拡大するために、現在4カ所の火力発電所をグループで運転中だ(図1)。さらに2020年までに合計で300〜500万kWの規模へ拡大する目標を掲げている。神戸製鋼所が新設する120万kWを加えると、ほぼ目標のラインに到達する。500万kWまで拡大すると、東京電力の管内で夏の最大電力の約1割に相当する規模になる。
並行して東京ガスは天然ガスを供給するインフラの整備を進めている(図2)。関東圏で4カ所目のLNG供給基地を茨城県の日立市に建設中で、2015年度に稼働を開始する予定だ。合わせて日立市から真岡市までの「茨城−栃木幹線」も2015年度中に敷設する計画で、新設する火力発電所に天然ガスを安定供給できる体制を整える。
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