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古都にも再生可能エネルギーを、スマートな町家を起点に普及を図るエネルギー列島2014年版(26)京都(2/2 ページ)

1200年の歴史を誇る京都は日本の文化の最先端を走り続けて、環境やエネルギーの面でも国の方向性を示す役割を担ってきた。しかしエネルギー資源には恵まれず、再生可能エネルギーの導入量は多くない。さまざまな制約を抱えながらも、京都ならではのユニークな試みが始まった。

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メガソーラーの発電量が想定を上回る

 一方で発電事業者の導入事例も徐々に増え始めている。京都府で最大のメガソーラーが南部の城陽市で2013年9月に稼働した。医薬品のベンチャー企業であるファーマフーズグループが運営する「京都グリーンソーラーファーム」である(図4)。


図4 「京都グリーンソーラーファーム」の全景。出典:ファーマフーズ

 発電能力は4.5MW(メガワット)で、年間の発電量は当初480万kWhを見込んでいた。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は全国標準の13%よりも低い12%を想定していたが、初年度の発電量は想定値を大幅に上回って、売電収入が3割近くも増えた。その結果、初年度から黒字になり、計画よりも3年早く利益を計上することができた。

 このほかに京都府の最南端にある精華町(せいかちょう)では、関西電力が「けいはんな太陽光発電所」の営業運転を2013年12月に開始している(図5)。関西電力の太陽光発電所としては3カ所目で、その中では発電能力が最も大きくて2MWある。


図5 「けいはんな太陽光発電所」の全景。出典:関西電力

 府の北部でも福知山市に、太陽光発電メーカーのエクソルが1.8MWのメガソーラーを2014年7月に稼働させたところだ(図6)。いずれのメガソーラーも他県と比べると規模は小さいものの、地域に分散する電源としての役割は十分に果たせる。


図6 福知山市のメガソーラー。出典:エクソル

 ようやくメガソーラーが増えてきたが、それでも再生可能エネルギー全体の発電設備の規模は全国で43位にとどまっている(図7)。中心になる京都市で町家を起点に導入プロジェクトが拡大していくのと並行して、府内の各地域に展開できる新しい施策が求められる。


図7 固定価格買取制度の認定設備(2013年12月末時点)

*電子ブックレット「エネルギー列島2014年版 −関西編Part1−」をダウンロード

2016年版(26)京都:「太陽光発電とバイオマスがCO2を減らす、古都で進む温暖化対策」

2015年版(26)京都:「ようやく太陽光発電が増えてきた、竹を燃料にバイオマス発電も進む」

2013年版(26)京都:「京都議定書の誕生の地、伸び悩む再生可能エネルギーを21倍に」

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