住宅でも全量買取、11kWを搭載する戸建:スマートハウス(2/2 ページ)
近鉄不動産は2014年10月、太陽光発電の売電に向く戸建住宅「太陽の住まい」の販売を近畿地方で開始した。住宅の屋根に10kW以上の太陽電池モジュールを設置し、固定価格買取制度を利用して20年間の全量買取を狙う住宅である。
太陽電池に高出力品を利用
太陽の住まいでは、太陽電池モジュールや見守りサービスにシャープの製品・サービスを用いた。太陽電池モジュールは、シャープのBLACKSOLARシリーズ。表面電極がなく、発電ロスを低減できる製品だという。例えば、単結晶シリコンを用いた「NQ-203AD」(出力203W)のモジュール変換効率は17.6%である。
宅内に設置する電力モニターと組み合わせて、シャープの「ソーラーWebモニタリングサービス」を無料で利用でき、診断レポートやエラー情報を閲覧できる(図3)。同サービスでは近隣住宅の発電情報を利用して、ユーザーのシステムの発電状況に問題がないかどうかを診断する手法も用いている。
さまざまな保証制度も整えた。太陽電池モジュール設置による屋根の破損の可能性をカバーするために、屋根工事漏水保証(10年間)を付けた。太陽電池モジュールはシャープの保証制度を利用して、10年間の無償保証か、15年間の有償保証を設置時に選択できる。システム構成機器の修理保証や、太陽電池モジュールの出力値保証(15年後までに85%)などもある。
2014年10月以降、各地の電力会社が発電設備の接続申し込みを保留する動きが広がっている(関連記事)。どのように対応するのだろうか。「関西電力からは保留の要請を受けていない。実際に販売する際には事前確認申請後に工事をすることで、顧客に迷惑が掛からないように進める」(同社)。
なお、太陽の住まいは家庭用蓄電池の設置を考慮していない。「20年間の全量買取を前提とした住宅であるためだ」(同社)。
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