太陽光と蓄電池、併用すると年間電力料金20%減:蓄電・発電機器
米Kyoceraは2014年10月、米Stemと提携し、オフィスや店舗が系統から購入する電力を減らすソリューションの提供を開始したと発表した。Stemにはユーザーの電力需要を30日後まで予測する技術があり、時間帯ごとに料金が変わる系統電力と太陽光を併用して出費を抑える。
米Kyoceraは2014年10月、米Stemと提携し、オフィスや店舗が系統から購入する電力を減らすソリューションの提供を開始したと発表した。京セラの太陽光発電システムとStemの蓄電池システム(図1)を利用したエネルギー貯蔵統合ソリューションだ。「Stemとは2014年9月に契約を締結し、既にソリューションの販売を開始している」(京セラ)。
Stemの優位性は蓄電システムにあるというよりも、電力予測解析ソフトウェアと蓄電システムの組み合わせにある。
予測解析ソフトウェアを利用すると、現在から30日後までのユーザーの電力需要を予測できるという。米国では時間帯ごとの電力料金導入が進んでいるため、電力料金が最も安価になる時間帯に蓄電池に充電し、年間電力料金を20%減らす効果をうたう(図2)。
図2では10時から19時の時間帯で蓄電池に蓄えられた電力を間欠的に利用しており、ピーク電力を抑えることに成功していることが分かる。
StemのCEOであるJohn Carrington氏は発表資料の中で、インテリジェントなエネルギー貯蔵システムは太陽光発電システムと適合しやすく、京セラの太陽光発電システム技術とシームレスに統合できたと述べている。
今回のKyoceraとの提携によって、蓄電池へ充電する手段が増え、より一層の電力料金削減効果が得られるという。特に日中に購入する系統電力を減らす効果がある。「導入する太陽電池モジュールや蓄電池の容量は顧客の電力使用量や要望に応じて変わる」(京セラ)。
国内での提供は?
ソリューションの提供を最初に開始したのは、米国の3州。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ハワイ州だ。「カリフォルニア州とニューヨーク州では政府のインセンティブがあり、ソリューションの市場性が高い。さらにハワイ州を合わせた3州ではもともとの電力コストが高く、蓄電システムを活用した電気代削減への需要を見込むことができる」(京セラ)。
「今回米国で発売したシステムを日本で展開する予定はないものの、当社の太陽光発電システムをニチコンの蓄電池システムと組み合わせたソリューションを2012年から国内展開している」(京セラ)。
【補足情報】 京セラによれば、米Stemの蓄電システムと米Kyoceraの太陽光発電システムを組み合わせたときの年間電力料金の削減効果について、現時点では数値データがありません。年間電力料金を20%削減できることが分かっているのはStemの蓄電池システムを単独で導入した場合です。(2014年11月5日)
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