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中部電力が初の木質バイオマス発電所、1万4000世帯分の電力を2016年に:電力供給サービス
中部電力グループの発電設備会社である中電プラントサービスが三重県に木質バイオマス発電所を建設する。地域の間伐材を中心に年間6.5万トンの木質チップを燃料に使って、1万4000世帯分の電力を供給する計画だ。グループで初めての木質バイオマス発電所で、2016年6月に運転を開始する。
中電プラントサービスは三重県の内陸部にある多気町(たきちょう)に、木質バイオマス発電所の「多気バイオパワー」を建設する(図1)。発電能力は6.7MW(メガワット)で、年間の発電量は5000万kWhを見込んでいる。一般家庭で約1万4000世帯分の電力を供給することができて、多気町の総世帯数(5300世帯)の2.5倍に相当する規模になる。
発電所は2015年2月に着工して、2016年6月に運転を開始する予定だ。建設予定地はJR多気駅から4キロメートルの距離にある「多気クリスタルタウン工業ゾーン」の中にある(図2)。この一帯は液晶(クリスタル)産業を中核にした工業と商業の集積地で、中電プラントサービスは2013年9月に木質バイオマス発電所の建設用地として多気町に立地を申し込んでいた。
多気町を含めて三重県の面積の3分の2は森林が占めている。新設する木質バイオマス発電所は県内で大量に放置されている間伐材を利用することで、林業の振興にも生かす狙いがある。燃料になる木質チップは年間に約6.5万トンを利用する計画だ。
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