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下水から燃料作り発電へ、守谷市が8000万円を得る:自然エネルギー(2/2 ページ)
茨城県守谷市は2014年11月、下水処理場が生み出すメタンガスを利用した発電事業について、水ingと協定を締結した。守谷市の金銭的な負担はなく、20年間で合計8000万円の収入が得られる見込みだ。
出力25kWの発電機を7台設置
水ingは浄化センター内の消化タンク*2)に近い敷地を20年間賃借する。市から買い取ったガス*3)をガスエンジン7台に送り込み、合計出力175kWを得る(図3)。ガスの利用量は年間76万Nm3。
想定年間発電量は一般家庭300世帯分に相当する約140万kWhだ。年間の設備利用率は約9割という計算になる。効率がよい。
FITを利用して全量、東京電力に20年間売電する。今回の事業ではメタン発酵ガス(バイオマス由来)という分類に当てはまるため、1kWh当たりの買取価格は39円(税別)になる予定。
*2) 図3の右上に一部が描かれている円筒形の構造が消化タンク。消化タンクの直径は約20m。
*3) 「ガスエンジンに悪影響を及ぼす硫化水素は市が供給前に除去、同じく(ケイ素化合物である)シロキサンはガスを受け取った当社側で除去する」(水ing)。
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