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オランダの夢「太陽光道路」、無線で車へ電力送る?:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
オランダで太陽電池を埋め込み、発電する世界初の道路「SolaRoad」が完成した。100m当たり一般家庭3世帯分の電力が得られるという。当初は道路の照明や家庭への電力供給を試みる。最終的な目標は自給自足可能な交通システムの基盤となることだ。
道路に対する要求も満たす
このような「モジュール」に求められる性能は何だろうか。SolaRoadによれば4つある。まずは光を通しやすいこと(光を反射しにくいこと)、次に可能な限り汚れをはじくことだ。残る2つは道路用の部材としての性質である。強度が高いことと、車両が横滑りを起こさないことだ。
強度の高さとは、車両の重量はもちろん、落下物の衝撃に耐えること、寒暖の差に耐えること、塩害を受けないことだ。オランダは干拓で国土を広げてきた経緯があり、北ホラント州の面積の過半数は海面下だ。塩害に対する十分な対策が必要である。
横滑りに対する対応策は、ガラス表面のコーティングだ。歩行者、車両ともグリップが効くようなコーティング材料を用いた(図3)。SolaRoadによれば一般的な自転車用道路と比較して、横滑り抵抗力は平均以上なのだという。
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