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オフィスで使う業務用電力、東日本が高く、西日本は安い2014年度の電気料金NEW(3)(2/2 ページ)

一般のオフィスビルで利用する「業務用電力」は自由化されているものの、新電力のシェアは全国で4%程度に過ぎず、大半の企業は地域の電力会社から購入している。業務用でも単価の差は大きく、東京では北陸の1.6倍にもなる。総じて西日本が安く、中部や九州には独自のメニューがある。

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多彩なメニューがある中部と九州

 業務用電力は地域によって独自のメニューを用意している場合がある。特に豊富なメニューをそろえているのが中部と九州の2地域だ。中部では電力の利用率に合わせて3種類のプランがある。実際に利用する電力の平均値が契約電力に対して22%と53%の場合を目安に、最適なプランを選ぶことができる(図3)。


図3 利用率による業務用プラン(中部電力のメニュー)。出典:中部電力

 例えば契約電力が1000kWで、平均電力が200kWであれば、利用率は20%で「プランA」が最も得になる。電力の使用量が少ないため、基本料金が安くて、電力量料金の単価が高いプランが適している。平日にしか電力を使わず、1日の営業時間も短いオフィスなどに向いている。

 九州でも同様に利用状況で選べる業務用のメニューがある。「負荷率別契約」と呼ぶメニューで、月間の使用量が増えるほど単価が安くなっていく。契約電力1kWあたりの使用時間が100時間を超えるごとに単価が安くなる仕組みだ(図4)。1000kWで契約している場合には、10万kWhごとに単価が下がる。


図4 月間の使用量が多い場合に有利な「負荷率別契約」(九州電力のメニュー)。出典:九州電力

 標準の業務用電力の単価が12.72円(夏季)に対して、負荷率別契約では1kWあたり100時間を超えれば12.15円(同)になる。月間の使用時間が200時間を超えると負荷率別契約のほうが割安になる計算だ。営業時間が長くて営業日数の多い商業施設などに向いている。

 こうした業務用電力とは別に、さらに使用量が多い工場などには「産業用電力」が用意されている。産業用電力の単価は業務用電力よりも安くなる。

第4回:「単価が最も安い産業用電力、それでも東京は群を抜く高さ」

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