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2013年度の電力消費量は国全体で0.3%増、自家発電が伸びる:電力供給サービス
資源エネルギー庁がまとめた2013年度のエネルギー需給実績によると、年間の最終エネルギー消費量は石油や都市ガスの減少により前年比0.9%の微減だったが、電力は0.3%の増加に転じた。電力会社の販売量が減る一方で、自家用の発電量が2.8%の伸びを示した。
国全体の最終エネルギー消費量は石炭・石油・天然ガスを消費する量のほかに、都市ガスや電力などに転換してから消費する量がある。2013年度は1万4227PJ(ペタジュール)になり、電力量に換算すると約4兆kWhだった。2012年度と比べて0.9%の減少で、リーマンショックが起こった2008年度から横ばいの状態が続いている(図1)。
エネルギーの種類別に見ると、全体の約5割を石油が占めている(図2)。自動車用のガソリンをはじめ2000年前後をピークに石油の消費量は減少傾向を続けていて、2013年度も1.4%減った。これに対して全体の2割強を占める電力は0.3%の増加に転じた。電力の内訳を見ると、電力会社を中心に販売する事業用は0.1%減ったものの、企業などの自家発電が2.8%増えて全体を押し上げた。
電力のほかに石炭が1.0%増、天然ガスが1.1%増、再生可能・未活用エネルギーが2.4%増と伸びた(図3)。一方で都市ガスが2.8%減、工場などの熱利用が1.1%減にとどまった。震災前の2010年度と比べると、天然ガスと再生可能・未活用エネルギーだけが増えていて、それ以外はすべて減っている。電力は2010年度から7.7%も減った。
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