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気球ならぬ「浮遊風車」、2015年に1基200kWを目指す:自然エネルギー(2/2 ページ)
米Altaeros Energiesはヘリウムの浮力を利用して空中に浮かべる形の風力発電を開発中だ。出力が増え、設置コストが低いという。ソフトバンクは2014年12月5日、同技術の開発と商用化支援を目的として、同社に700万米ドル(約8億4000万円)を出資すると発表した。携帯電話の通信基地局を兼ねた空中発電所が実現しそうだ。
どのような発電技術なのか
空中浮遊式風力発電技術では、4種類の部材を利用する。機材を上空に持ち上げるためにヘリウムを充填したドーナツ型の「シェル」、シェル内に固定した水平軸3枚羽根のタービン、シェルを制御して電力変換などを行う地上局、地上局とシェルをつなぐテザー(綱)だ。
シェルを展開する高度は100〜600m。地上と比較して上空は一般に風の流れが強く、安定している。Altaeros Energiesによれば高度600mでは同規模の従来のタワー型風力発電機と比較して、約2倍の電力を得られるという。
装置全体を標準的な輸送コンテナで運搬可能(図2、図3)であり、建築機材や基礎工事が不要であるため、従来のタワー型の風力発電に対してコスト面で優位性があるとした。発電コストは3.3〜5.3セント/kWh。なお、地上からシェルを展開するのに必要な時間は24時間以内だという。
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