日本一の日照時間を1万5000世帯分の電力に、浜名湖畔で43MWのメガソーラー:自然エネルギー
全国各地で再生可能エネルギー事業を展開するSBエナジーと三井物産が新たに静岡県の浜松市に大規模なメガソーラーを建設する。うなぎで有名な浜名湖の湖畔にある53万平方メートルの遊休地を利用して、一般家庭で1万5000世帯分の電力を供給する計画だ。
浜名湖の湖畔には、うなぎを養殖するための養鰻池(ようまんいけ)が昔は数多く設けられていた。その大半は埋め立てられて住宅地などに変わったものの、中には地盤が軟弱で転用の難しい土地が残っている。浜名湖に突き出る庄内半島にも広大な遊休地があり、活用策として本州で最大級のメガソーラーを建設することが決まった(図1)。
ソフトバンクグループのSBエナジーと三井物産が共同で「ソフトバンク浜松中開(ちゅうかい)ソーラーパーク」を建設する。敷地の面積は53万平方メートルにおよび、2004年の「浜名湖花博」では駐車場に利用された場所である。この用地に発電能力が43.4MW(メガワット)のメガソーラーを建設して、2016年度中に運転を開始できる見通しだ。
年間の発電量は5400万kWhに達して、一般家庭で1万5000世帯分の使用量に相当する規模になる。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は14.2%を見込み、国内標準の12%を大きく上回る。というのも、浜名湖がある静岡県の浜松市は全国でも有数の日射量が豊富な地域にある。
浜松市が気象庁のデータをもとに毎年まとめている年間日照時間のデータによると、全国154カ所の観測地点の中で浜松市は常にトップ5に入っている(図3)。2013年は2460時間で第5位になり、全国平均の1822時間を大きく上回った。太陽光発電に極めて適した場所であることがわかる。
こうした好条件を生かすために、浜松市では市有地を事業者に貸し出すほか、遊休地のマッチング支援などを実施している。市有地を活用したメガソーラーでは、浜松湖畔にある一般廃棄物の最終処分場に「浜松・浜名湖太陽光発電所」(発電能力3MW)が2013年7月に運転を開始した(図3)。事業者は中部電力グループのシーテックと地元の須山建設の2社である。
一方でソフトバンクグループのSBエナジーは全国各地に残る広い遊休地にメガソーラーを展開している。浜名湖と同様に鳥取県の中海(なかうみ)の湖畔では、53万平方メートルの干拓地に42.9MWのメガソーラーを2014年2月に稼働させた(図4)。静岡県内では「ソフトバンク静岡葵ソーラーパーク」(発電能力1.9MW)を2014年6月に運転開始している。
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