スマートメーターの情報をテレビに、NTTグループが通信サービスと連携:エネルギー管理
1年後に始まる小売の全面自由化に向けて、電力と通信を融合したサービスが広がりを見せる。NTT西日本とNTTコムウェアはインターネット通信サービスの利用者にスマートメーターの情報を提供できるシステムを開発した。電力使用量のデータを活用したサービスを他の事業者と共同で展開する。
NTT西日本とNTTコムウェアはインターネット通信サービスの「フレッツ光」に、スマートメーターと連携したサービスを組み込んでいく。テレビ接続型のインターネット端末である「光BOX+」に、スマートメーター連携機能と家電コントローラ機能を搭載して提供する(図1)。新機能を開発するにあたって、スマートメーターと家電機器をつなぐ国内標準の通信プロトコル「ECHONET Lite」を採用した。
すでに第三者認証機関からECHONET Liteの適合性の認証を受けて、スマートメーターを設置済みの家庭にサービスを提供できる状態になっている。現在のところ具体的なサービスメニューや開始時期は未定だが、対象地域は富山・岐阜・静岡の3県から西側で、中日本と西日本の7つの電力会社のサービスエリアが該当する。
NTT西日本はフレッツ光の利用者を対象に、家庭の分電盤に電力測定センサーを設置する方式で電力使用量の見える化サービス「フレッツエコめがね」を2012年7月から提供している(図2)。ただし電力使用量などの情報を表示できる端末はパソコンやスマートフォンに限られている。
新たに開発したシステムはスマートメーターからの情報をテレビに表示できるほか、ECHONET Liteを実装した家電機器と連動させることも可能になる。スマートメーターには3種類のルートで情報を提供する方法があり、ECHONET Liteは家庭の機器と直接やり取りする「Bルート」に対応する(図3)。
NTT西日本はスマートメーターとインターネット通信を組み合わせた情報サービスを他の事業者にも提供する。2016年4月に始まる電力小売の全面自由化によって家庭向けのサービス競争が激化することは確実で、電力と通信のセット販売も想定できる。NTT西日本を中核にして複数の事業者による連合体が形成される可能性もある。
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