家電とつながる東京電力のスマートメーター、ECHONET Liteで初の認証を受ける:エネルギー管理
東京電力のスマートメーターに搭載されている通信ユニットが国内標準の認証を受けた。家庭内の電気機器と連携するために必要な通信プロトコルの「ECHONET Lite」を使った実機試験で適合性を認められた。今後は他の電力会社のスマートメーターも同様の認証を受ける見通しだ。
東京電力が4月から設置を開始したスマートメーターは東芝製の通信ユニットを内蔵している(図1)。通信ユニットには電力会社のネットワークと接続する機能のほかに、家庭内の電気機器と連携するための機能が含まれている。この家庭との連携機能が標準仕様に従って動作することを認証機関が確認した。東京電力のスマートメーターが初めての認証機器になる。
スマートメーターの通信ネットワークには、電力会社と接続する「Aルート」、家庭と接続する「Bルート」がある(図2)。このうちBルートではスマートメーターからHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)に対して、30分単位の電力使用量のデータを送信する。HEMSはスマートメーターからのデータをもとに空調や照明などの家電機器をコントロールして電力使用量を抑制することができる。
Bルートで電力使用量などのデータを送るための通信プロトコルには「ECHONET Lite」を採用することが決まっている(図3)。東京電力のスマートメーターではECHONET Liteを使って仕様どおりにHEMSと連携できることが実証された。
現在のところECHONET Liteを使った通信機能を認証する機関としては、経済産業省の研究事業によって神奈川工科大学に設立された「HEMS認証支援センター」の1カ所だけである。東京電力のスマートメーターに搭載した通信ユニットも同センターから認証を受けた。
ECHONET Liteはスマートハウスを実現するための通信プロトコルとして開発されたもので、国内では電力会社のスマートメーターの仕様に組み込まれて標準になりつつある。HEMSのほかに空調や照明などもECHONET Liteに準拠した製品が出始めていて、家庭内の電力使用量に応じて電源のオン/オフや設定温度の変更などが可能になる。
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