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水力発電で電力小売を拡大、大和ハウスが岐阜県で3350世帯分:自然エネルギー
太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入量を拡大中の大和ハウス工業が新たに水力発電に乗り出す。岐阜県の飛騨市を流れる川の水流を利用して、発電能力が2MWの水力発電所を建設する計画だ。2017年11月に運転を開始する予定で、発電した電力は全量を企業向けに販売する。
大和ハウス工業は東芝グループのシグマパワーホールディングスと共同で、岐阜県の飛騨市に水力発電所を建設する。地元の土木事業者を加えた3社の合弁で4月から工事を開始する予定だ。建設予定地は岐阜県内を日本海まで流れる神通川水系のうち、上流にあたる「宮川(みやがわ)」の支流である(図1)。
3社の頭文字をとった「DTS 飛騨水力発電所(仮称)」は第一と第二の2カ所の発電設備で構成して、発電能力は合計で1.97MW(メガワット)になる。宮川の支流に取水用の堰堤を設けて、全長1.8キロメートルの鉄管路で発電機まで水を運ぶ方式である(図2)。工事期間は2年半で、運転開始は2017年11月を予定している。
年間の発電量は約1200万kWhを見込んでいる。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は70%になり、水力発電では高い水準だ。一般家庭の使用量に換算して3350世帯分の電力を供給できる。発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を大和ハウス工業が買い取って企業向けに販売する(図3)。
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