被災地の2カ所でメガソーラーが同日に運転開始、8000世帯分の電力に:自然エネルギー
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県と福島県で大規模なメガソーラーが相次いで運転を開始した。被災地を対象に再生可能エネルギーの導入を促進する事業の一環でユーラスエナジーグループが建設した。2カ所を合わせた発電能力は22MWになり、一般家庭で8000世帯分の電力を供給する。
2つのメガソーラーが3月2日に運転を開始した(図1)。1つ目は太平洋岸に近い宮城県と福島県の県境に広がるゴルフ場があった場所だ。2つ目は福島県の内陸部に位置する矢吹町と中島村にまたがる林地を活用した。
国が被災地を対象に2011年度から実施している「再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援対策事業」の適用を受けた。発電設備の建設費に対して1割を国が補助する。
2カ所のうちゴルフ場の跡地に建設した「ユーラス天明ソーラーパーク」は80万平方メートルの土地に、7万枚の太陽光パネルを設置した(図2)。カナディアンソーラー製の多結晶シリコンタイプを採用して、全体の発電能力は14MW(メガワット)になる。
もう1つの「ユーラス矢吹中島ソーラーパーク」は28万平方メートルの用地に5万枚のパネルを設置して、発電能力は8MWである。同じ多結晶シリコンタイプでも京セラ製の太陽光パネルを採用した。
2カ所を合わせた発電能力は22MWに達する。年間の発電量を合計すると、一般家庭の約8000世帯分の使用量に相当する見込みだ。発電した電力は東北電力に売電することが決まっている。
メガソーラーを建設・運営するユーラスエナジーグループは豊田通商と東京電力の合弁会社で、北海道と東北を中心に太陽光と風力による発電事業を展開している。太陽光の発電規模は新設した2カ所を含めて84MWに拡大した。宮城県と福島県でメガソーラーを運営するのは初めてである。東北地方では青森県に日本で最大級の115MWの発電能力になる「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」を建設中だ。
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