特集
再生エネ=最大の電力源、80%の目標に向かうドイツの戦略:自然エネルギー(2/2 ページ)
ドイツ連邦経済エネルギー省は、総電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が2014年、過去最高の27.8%に達したと発表した。これまで最大の電力源だった褐炭を初めて上回ったという。輸入資源である石油や天然ガスの比率も同時に下げた。
風力、バイオマス、太陽光が3本柱
ドイツは1種類の再生可能エネルギーに頼らないという原則も守っている。図2には、ドイツ国内で主要な5種類の再生可能エネルギーを示した。発電量が大きな順に風力、バイオマス、太陽光、水力、家庭ゴミだ。特に風力(560億kWh)、バイオマス(430億kWh)、太陽光(349億kWh)は3本柱として順調に伸びていることが分かる。
総電力の抑制と電力貿易にも成功
図3ではドイツの年間総発電量と電力の輸出入量を示した。年間総発電量(青線)はここ10年、6000億kWhから6400億kWhの水準に保たれている(日本は約1兆kWh)。経済成長を続けながらも、総発電量の抑制に成功していることが分かる。
ドイツは国際連系線に恵まれており、周辺諸国と電力を融通している。輸入量は284億kWh〜534億kWhの範囲を上下している(オレンジ色の線)。これは総発電量の5.3〜8.6%に相当する。
関連記事
- 総発電量の40%弱を風力で、2014年のデンマーク
人口や発電量は北海道とほぼ同等 - ヘラクレスの「戦い」を覚悟したドイツの野望と痛み、日本はどうか
再生エネの比率を高めるドイツの苦闘とは - 再生エネで電力の28.5%得る、バランス良く進むドイツ
2014年上半期の進捗状況 - 電力の50%を風力と太陽光で得たドイツ、記録更新中
特定の1時間の記録 - 輸出が上回ったドイツの電力、脱原発でも伸びる
原子炉を8基停止しても輸出 - 電力輸出で「利益」を出すドイツ、輸出単価も高い
輸出単価が輸入単価を上回る - ドイツの電気料金が高いのはなぜ?
再生エネが原因なのか - 天然ガスよりも安い太陽光、2030年には住宅向けでも石炭並みに
ドイツの国土条件で有利な再生エネとは
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.