石油大手JXのメガソーラーが相次いで稼働、沖縄県最大級12MWの大規模施設も:自然エネルギー
JX日鉱日石エネルギーがJXグループの遊休地を活用して展開するメガソーラー発電所がこのほど相次いで送電を開始した。JXグループでは、電気事業に関して電力システム改革に対応した事業拡大を経営目標に掲げており、自社グループの遊休地におけるメガソーラー建設を加速させている。
JX日鉱日石エネルギーが2015年3月に新たに送電を開始したのは、沖縄県うるま市のうるまメガソーラー発電所と大分県大分市の大分メガソーラー発電所だ。
うるまメガソーラー発電所は、沖縄県うるま市の沖縄石油基地内の遊休地にメガソーラーを建設したもの(図1)。発電出力は12MW(メガワット)で敷地面積は16万平方メートルとなる。送電先は沖縄電力で、2015年3月23日から送電を開始している。現時点では沖縄県最大のメガソーラーとなる。
大分メガソーラー発電所は、パンパシフィック・カッパー佐賀関製錬所大志生木社宅跡地の1万4000平方メートルの敷地に開設したもので、発電出力は0.9MWとなる。送電開始日は3月24日で売電先は九州電力である。
JXグループのメガソーラー発電所は10カ所、28.2MWに
JXグループでは、2012年度(2013年3月期)から、メガソーラー発電所事業の拡大に取り組んでおり、自社グループの遊休地を活用し、メガソーラー発電所の建設を加速させている。今回の2カ所を加えて、メガソーラー発電所は合計10カ所、発電出力は28.2MWとなった。現在も2015年11月送電開始予定の男鹿(秋田県男鹿市、発電出力約2.4MW)、2016年3月送電開始予定の朝霞(埼玉県朝霞市、約1.0MW)、広島(広島市、約1.2MW)、日立(茨城県日立市、約2.0MW)の4発電所を建設中で、合計すると34.8MWの発電能力を保有することになる。
同社は総合エネルギー企業として、本業である石油精製販売事業とともに、電力会社向け電力卸供給事業(IPP)や、一般企業向け電力小売り事業(新電力・PPS)など「ENEOS創エネ事業」に取り組んでおり、メガソーラー事業はこの一環となる。
IPPについては1998年の大阪製油所を皮切りに各製油所で事業を推進してきた。2015年1月現在での発電能力は5拠点で74万kWとなっている。電力小売り事業は東京電力との合弁による川崎天然ガス発電から2008年に電力の引き取りを開始した。設備面も強化しており2018年度(2019年3月期)には水島製油所に石油コークス発電設備を設置予定。能力11万kWで、自家使用後の余剰分を小売販売する計画だ。
また、2016年に予定されている電力小売市場の全面自由化を見据えて家庭用電力小売りに参入すること決めている。これにより業務用、産業用の電力販売ととともに販売先のさらなる拡大と多様化を図る方針だ。
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