再生可能エネルギーの導入量1位は福岡県、認定量では茨城県と宮城県が躍進:自然エネルギー
固定価格買取制度の認定を受けた発電設備のうち、2014年12月までに運転を開始した設備の規模を都道府県別に集計すると、第1位は福岡県で83万kWを超えた。第2位には茨城県が入り、運転開始前の設備を加えた認定量ではトップになる。復興に取り組む宮城県も認定量で第4位に躍進した。
全国各地で再生可能エネルギーの発電設備が続々と運転を開始している。資源エネルギー庁がまとめた2014年12月末時点の都道府県別のデータによると、運転を開始した発電設備の規模(導入量)が最も大きいのは福岡県である(図1)。半年前の2014年6月末の時点でも第1位で、太陽光の導入量が着実に拡大している。
続いて第2位の茨城県は太陽光とバイオマスが大幅に増えて順位を上げた。福岡県と茨城県の導入量は80万kW(キロワット)を超えて、わずか半年間で20万kW以上も増えている。同様に第6位の鹿児島県までは20万kW以上の増加で、上位の伸びが著しい。トップ10の導入量を合計すると670万kWに達して、全体の4割以上を占めている。都道府県による導入量の差が開いてきた。
運転を開始する前の発電設備を加えた認定量では、茨城県が第1位になった(図2)。次いで福島県と鹿児島県が僅差で続く。この3県の認定量は400万kWを超えている。太陽光以外に風力・水力・バイオマスの発電設備の規模も大きい。第4位の宮城県も半年前と比べて100万kW以上も増えて、第8位から一気に躍進した。
再生可能エネルギーの種類別では、風力の導入量で青森県が北海道を抜いてトップに立った(図3)。風力発電所が数多く集まる六ヶ所村で1万kWの発電設備が10月に運転を開始している。このほかバイオマスの導入量で2位に東京都、3位に大阪府が入った。大都市では廃棄物を利用した発電設備が拡大中だ。
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