LED照明の活用範囲が拡大、国土交通省が道路・トンネルへの導入ガイドライン改訂:法制度・規制(2/2 ページ)
国土交通省は、道路やトンネルの照明におけるLEDの導入ガイドラインを改訂し、従来利用できなかった3車線道路や、トンネルの入り口部などでも適用可能とした。
LED照明灯具の新たな技術仕様
新たな技術仕様としては、LED照明灯具、LEDモジュールの相関色温度、LEDモジュール・制御装置における定格寿命において新たな基準を定めた。
LED照明灯具については、従来はカットオフ配光のみ規定されていた。カットオフ配光とは自動車の運転者に対するグレア(見えづらさを感じさせるまぶしさ)を厳しく制限した配光のことだ。新たなガイドラインでは、カットオフ配光を標準としつつ設置条件や周辺環境に応じてセミカットオフ配光(グレアをある程度制限した配光)も選定可能とした。
詳細な条件については以下の通りだ(図2)。
道路照明用のLEDモジュールにおける相関色温度範囲の見直しも行われた。従来の基本照明の相関色温度は5000〜7000K(ケルビン)に規定されていた。しかし、従来光源の相関色温度が2100Kである点、JIS Z 9112のLED光源の色温度範囲は2600〜7100Kである点、暖光色が好まれる地域や場所への対応という3点を考慮し、低い色温度のLEDモジュールも採用できるようにした(図3)。
その他、LEDモジュールおよび制御装置の定格寿命についても見直しが行われた。従来は、LEDモジュールの寿命については「光束が点灯初期の70%未満になった時点」、LEDモジュール・制御装置の定格寿命が「6万時間」、制御装置の耐雷サージ性能が「4kV(キロボルト)」となっていた。
しかし、LED照明技術の性能向上が進んだことで、光束については「80%未満になった時点」、基本照明のLEDモジュール・制御装置の定格寿命は「9万時間」、入口部・出口部のLEDモジュール・制御装置の定格寿命は「7万5000時間」と新たに定めた。耐雷サージ性能については「15kV」としている。
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