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火山地帯の盆地に巨大なメガソーラー、人口1万人の町に1万世帯分の電力:自然エネルギー
大規模なメガソーラーの建設が相次いでいる鹿児島県で新たなプロジェクトが動き出した。霧島山の裾野に広がる盆地の一角に、発電能力が32MWのメガソーラーが2017年度に運転を開始する計画だ。51万平方メートルの土地を利用して、年間に1万世帯分の電力を供給する。
ソフトバンクグループのSBエナジーが鹿児島県の北部にある湧水町(ゆうすいちょう)の公有地にメガソーラーを建設する(図1)。発電能力は32.3MW(メガワット)で、2017年度内に運転を開始する予定だ。SBエナジーが単独で建設・運営するメガソーラーでは最大の規模になる。
年間の発電量は3600万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万世帯分に相当する。湧水町は人口が約1万人で、総世帯数は約5000世帯だ。町内の家庭が年間に利用する2倍の規模の電力を供給することができる。
建設用地は以前にゴルフ場の建設が計画された場所で、広さは51万平方メートルに及ぶ。ゴルフ場の計画がなくなってからは、町内を流れる川内川(せんだいがわ)の整備工事で発生する土砂の受入地として使われてきた(図2)。今後はメガソーラーで地域の電力源に生まれ変わる。
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