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水素で広がるスマートシティ、2020年のオリンピックに電力・熱・燃料を供給エネルギー列島2015年版(13)東京(3/3 ページ)

東京オリンピック・パラリンピックは日本が水素社会へ向かう大きなステップになる。首都圏を中心に水素ステーションが増えて、燃料電池車や燃料電池バスが都心を走り回る。競技場や選手村には燃料電池で電力と熱を供給する予定だ。大都市ならではの地中熱を取り入れたビルの建設も進む。

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大都市の地中熱でCO2を減らす

 東京都は面積が狭くて都市部が密集しているために、離島を除くと再生可能エネルギーのポテンシャルは大きくない。固定価格買取制度の認定状況を見ても、バイオマス発電の導入量が全国で2番目に多いことが目を引く程度だ(図8)。都市部で発生する大量のゴミを処理施設で燃焼させて発電に利用している。


図8 固定価格買取制度の認定設備(2014年12月末時点)

 限られた再生可能エネルギーの中で、地中の熱を活用する試みも始まった。東京の新名所になった「東京スカイツリー」が先行事例だ。スカイツリーを中心に10万平方メートルの広さがある区域全体に、地中熱を利用した冷暖房システムを2012年に導入した(図9)。


図9 「東京スカイツリータウン」の主要施設(上)、エネルギー供給ネットワーク(下)。出典:東京都環境局

 地下に埋め込んだチューブを通して、冬に熱を取り込み、夏には熱を放出する。区域内には総延長2800メートルに及ぶ導管をはりめぐらして、地中熱で作った冷水と温水を各施設に供給している。地中熱を利用しない場合と比べてCO2排出量は約半分に減る。これも大都市には有効な地球温暖化対策である。

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