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停電時でも実は余っている電力がある、余剰電力でBCPを強化できる新サービス:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
東日本大震災以降、災害や事故などの不測の事態に備えた「事業継続計画(BCP)」が重要視されている。日立製作所と三井不動産はこうしたBCP対策の強化に有効な、非常用発電機の余剰電力を有効活用できる電力供給自動制御システムを開発。2015年7月15日より販売する。
監視制御装置と制御ユニットで構成
トラムスボードは監視制御装置と、電力幹線に設置する制御ユニットを搭載した新設分電盤で構成される。監視制御装置が建物の停電発生状況、非常用発電機の稼動状況、火災発生状況などの各信号を受け、「通常時」「停電時」「BCP対応時」などの運転モードを選定し、分電盤の制御ユニットに運転モードに応じた信号を送信する自動制御を行う。
制御ユニットは受信したモード信号に応じて、余剰電力を複数の分電盤に等配分したり、防災対策室などの電力を必要とするエリアに効率的に分配したりするという仕組みだ(図2)。
トラムスボードの導入については、専用の電力幹線の設置が不要で、商用電力で使われている電力幹線を利用できる。これにより大規模な取り付け工事を行わずに済むため、既存建物の場合は従来方式と比べてシステム構築に必要な導入コストと工期を半減できるという(図3)。
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