太陽光発電、“FIT押し”から「O&M」へ:PVJapan2015(3/3 ページ)
2015年7月29〜31日の3日間、東京ビッグサイトで開催された太陽光発電関連の展示会「PVJapan2015」では、太陽光発電の監視・保守ソリューションサービスが注目を浴びた。各社の出展内容を紹介する。
小規模太陽光発電監視サービスを出展した富士通
大手ICT企業では、富士通がクラウドを活用した小規模太陽光発電監視サービス「FUJITSU Intelligent Society Solution Venus Solar」を紹介した。このサービスは、太陽光発電事業者が保有する小規模の太陽光発電所を対象に、太陽電池パネルを束ねるパワーコンディショナー単位の発電量データを、接続した監視装置から1分ごとに収集し、クラウドで一元管理するシステムだ。
これにより、従来の発電所単位で監視するサービスに比べパワコンごとのキメ細かい発電状況の監視が行える。収集したデータから「発電量低下」「発電停止」「他のパワコンとの相関比較による異常」を検知し、発電異常のアラートをメールで管理者へ通知するため、機器故障や発電トラブルの早期発見が可能となる。さらに発生したトラブルのステータスを管理することにより、監視業務でのワークフロー運用ができる。また、入力した対処作業の状況や内容を蓄積することで今後の保守作業に活用するとも可能だ。
障害位置まで自動検出できるサービスを提供するNECネッツエスアイ
通信インフラ工事事業を展開するNECネッツエスアイの太陽光発電システム遠隔監視・保守ソリューションサービスは、発電所の監視、運用、保守までをトータル的にサポートする。太陽電池アレイ障害位置自動検出装置(SOKODES)を使った国内最高レベルのパネル監視を実現している。複数の発電所の発電量や稼働状況をWebやスマートフォン、タブレットから簡単に確認ができ、蓄積したデータは簡単な設定で発電情報の詳細表示や経年劣化のグラフ表示などが可能だ。
国内初のパルス検知型(TDR方式)を採用し、パネル単位の故障をすぐに特定できる。保守・運用面でも同社の太陽光監視センターによる24時間365日の監視を行う。同センターは官庁・自治体、通信事業者、企業など多様なユーザーをサポートしてきた経験と実績をベースに運用を支援している。さらに、全国300拠点に約4000人のサポートサービス要員を配置して、充実した現地駆け付け保守対応を提供しているという。
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