国内最大規模のEV充電基盤誕生へ、イトーヨーカドーなどに3380台の充電器:電気自動車
セブン&アイ・ホールディングスとNECは、全国45店舗の「イトーヨーカドー」「Ario」「そごう」「西武」に合計で3380台の電気自動車用充電器を設置し、有料充電サービスを提供することを発表した。稼働すれば国内で最大規模の充電インフラとなるという。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)は、大気汚染物質の排出が少ない環境配慮型の次世代自動車の1つとして普及促進が進められている。普及のポイントになるのが、充電器をはじめとする充電インフラの整備である。電気自動車の充電インフラは整備が進んでおり、日本全国で既に1万カ所程度の充電スタンドが設置されているという。しかし、資源エネルギー庁によると、ガソリンの給油所数は全国で3万3000以上あり、この状況を見ると、EV・PHVの充電インフラはまだ十分とはいえない状況だ。
さらなる充電インフラ整備の加速が求められる中、新たに大規模導入を決めたのがセブン&アイ・ホールディングスである。同社は全国45店舗の「イトーヨーカドー」「Ario」「そごう」「西武」に合計で3380台のNEC勢の充電器を設置。有料充電サービスを提供すると発表した。併せて、複数の充電器の利用者認証や課金管理、監視・制御などを一元的に行う壁掛け型充電コントローラー(NEC製)も設置する(図1)。
NECでは、セブン&アイ・ホールディングスからこの充電インフラを借用し、EV・PHV利用者に有料充電サービスを提供する。充電サービスは、国内自動車メーカー4社が設立した合同会社日本充電サービスが発行する充電カードやセブン&アイ・ホールディングスの電子マネー「nanaco(ナナコ)」を用いた決済に対応する予定だ(図2)。
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