電気自動車の充電インフラは安全?、国内初の認証サービスが始まる:電気自動車
電気製品などの安全性を認証する国際的な機関であるULが、電気自動車の充電インフラの認証サービスを日本国内で開始する。三重県の伊勢市にある日本法人の試験設備を拡充して、充電器をはじめとする各種の装置の耐久性などをテストできるようにした。
ULの日本法人であるUL Japanによると、電気自動車の充電インフラに対する認証サービスはアジアで初めて。これまで日本のメーカーは製品のサンプルを欧米の認証機関に送って試験を受けていたという。今後は国内で認証サービスを受けることができ、認証が完了するまでの期間が短縮される見込みだ。
UL Japanが認証サービスを開始するのは、電気自動車の充電に使う急速充電器や普通充電器のほか、充電用のケーブルやコネクタ、充電回路用の人体保護装置などである。それぞれの機器に対応したULの規格があり、試験に合格した製品には「ULマーク」を表示することができる。
電気自動車の充電規格には、日本の自動車メーカーが主導する「CHAdeMO」と欧米のメーカーが推進する「コンボ」の2つがある。まずはCHAdeMOに準拠した試験サービスから開始して、順次コンボにも対象を広げていく予定だ。
UL Japanは充電インフラの試験設備として4基の「チャンバー」を用意した(図1)。このチャンバーの中に充電器を入れて、温度処理やアイシング試験、経年劣化などをテストする。このほかCHAdeMOに対応した急速充電器を試験するための自動電圧調整器や負荷装置もある。
充電用のケーブルやコネクタに対しては、自動車で踏んでも性能に異常がないことを実験する「ビークル・ドライブ・オーバー・テスト」も可能になる(図2)。各設備は三重県の伊勢市にあるUL Japan本社内の「次世代エネルギー試験棟」に導入した。
日本では政府の方針によって、2020年までに急速充電器を5000基、普通充電器を200万基、それぞれ全国各地に設置する計画がある。UL Japanは充電器をはじめとする充電インフラの製品開発が急速に進むとみて、いち早く認証サービスに乗り出した。
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