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農業と風力発電を融合――ヤンマーアグリ北海道が小型風力発電事業に参入:自然エネルギー
ヤンマーアグリジャパン北海道カンパニーは、エネルギー関連機器の開発や販売などを行うゼファーと業務契約を締結し、小型風力発電機器の販売を行うことを明らかにした。
ヤンマーアグリジャパンはヤンマーが2014年1月1日に設立した国内農業機械事業を統括する販売会社。全国6カンパニー制を敷く。このうち同北海道カンパニーは北海道地域で農業機械の販売およびメンテナンス、農業用資材の販売、産業用無人ヘリコプターの販売・メンテナンスと農薬散布の請負などの業務を展開する。
今回、ヤンマーアグリジャパン北海道はゼファーと業務契約を行うことにより、売電用の5kW(キロワット)の小型風力発電機「Zephyr9000」を北海道地域に販売する。既にヤンマーアグリジャパン北海道では、太陽光発電設備の販売を手掛けており、多数の納入実績を持っている。新たに小型風力発電設備販売にも新規参入し、再生可能エネルギービジネスの拡大を目指す方針だ(図1)。
扱うことになった風力発電「Zephyr9000」の仕様は風車タイプが水平軸プロペラ式。ローター直径は5.5メートルで風車(SWT)クラスはClassII。定格出力4.9kW、基準出力4.5kW。基準年間発電量は8809kWh(キロワット時)だという。ゼファーは販売チャンネルやサービス拠点が充実したヤンマーアグリジャパン北海道と業務契約を締結することで農業分野での販売・サービス体制を強化させ、小型風力発電の売電市場の拡大を図る考えだ(図2)。
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