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スマートメーターの接続率は約97%、新たな電力サービスは順調な滑り出し:電力供給サービス(2/2 ページ)
東京電力は2015年7月以降、スマートメーターシステムを活用した新たなサービスを実施。併せてスマートメーターオペレーションセンターでの運用も開始し、順調な滑り出しを切ったことを明らかにしている。
スマートメーターオペレーションセンターの役割
新たなサービス開始の一方、2015年7月1日から、運用やセキュリティを守る新組織として「スマートメーターオペレーションセンター」を発足。主に以下の3つの機能を備えるとしている(図3)。
- システム全体管理:スマートメーター展開計画進捗管理、ネットワーク品質管理(ネットワーク接続率など)
- 集中処理センター:通信設備の開通処理、電力メーターの情報発信サービス(Bルート)の受付対応など
- セキュリティ管理:スマートメーターシステム全体に関するセキュリティの一元的管理・監視、異常検知などの初期応対
24時間365日監視で電力セキュリティを確保
特にスマートメーターのセキュリティに関しては、センター内にセキュリティ攻撃検知センターを配置し、24時間365日監視する体制を構築。社外人材を活用してネットワークセキュリティへの専門性を高めるとともに、さらに体制強化を進めていく方針だという(図4)。
電力システムに対するサイバー攻撃については海外では既に被害が発生する状況も生まれており、ICTを活用するスマート化の動きの中で重要性が高まってきている(関連連載)。これらを背景に政府はスマートメーターのセキュリティ対策を強化する枠組みを検討して、セキュリティ対策の要件をまとめたガイドラインの素案を示したうえで、12月をめどに統一的なガイドラインを策定する方針を示している(関連記事)。
東京電力でもこれらの動きに合わせながら、電力セキュリティの確保に取り組んでいく方針だとしている。
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