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家庭用燃料電池で発電した余剰電力を地域で活用、三島市で実証実験:蓄電・発電機器
静岡県三島市と静岡ガスは、2015年度中に家庭用燃料電池「エネファーム」で発電した余剰電力を地域で活用する実証実験を開始する。
経済産業省は2014年6月に水素社会実現に向けたロードマップとして「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を発表。3つのフェーズに分けた水素社会実現に向けた取り組みを紹介している(関連記事)。また、この計画に合わせて2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「水素社会の見本市」とし、世界に発信しようという取り組みも進んでいる(関連記事)。これらの水素社会実現に向け、燃料電池の普及においてカギを握るとされているのが家庭用燃料電池「エネファーム」の普及である。
エネファームは、都市ガスから作った水素を活用する発電機だ。まず都市ガスから燃料処理機で水素を取り出し、燃料電池で水素から発電を行うことで、熱と電気を取り出すという仕組みになる。エネファームは2009年にパナソニックが一般販売を開始し2014年9月には業界全体で累計販売台数10万台を突破している。一方で「エネルギー基本計画」の中では、2030年に530万台(全世帯の1割)の普及目標が掲げられており、コスト削減などさまざまな問題点解決が求められている状況だ。
エネファームを分散型エネルギーシステムに
今回の実証実験は、エネファームを地産地消型の分散型エネルギーシステムの一部に組み込むもの。経済産業省 資源エネルギー庁の「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助事業(2014年度補正予算)」に採択を受けてのもので、エネファームで発電した余剰電力を地域で活用し、問題点などを探る。
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