1.46億kWhを再生エネで生み出す、太陽光から風力まで幅広く拡充:自然エネルギー
出光興産は石油事業を中心としつつ、地熱、風力、バイオマス、太陽光などのさまざまな再生可能エネルギー事業にも注力している。2012年度に9000万kWhだった再生可能エネルギーによる発電量を、2015年度には約1.6倍の1億4600万kWhに拡大する方針だ。
出光興産は太陽光をはじめ地熱・風力・木質バイオマスなど再生可能エネルギーを活用した電力発電を積極的に推進している。太陽光発電では、福岡県北九州市のメガソーラー「門司発電所」が増設工事をこのほど完了し、2015年8月から営業運転を開始した。
2013年11月に開設した同発電所は、今回新たに990kW(キロワット)の発電設備を増設し、合計出力は3890kWとなった。増設分を含めて年間予想発電量は約1500世帯分相当の電力使用量に相当する約530万kWh(キロワット時)。売電先は出光グリーンパワーおよび九州電力だ。
出光興産メガソーラーは門司発電所の他、発電出力1320kWの小名浜発電所(送電開始2014年11月、売電先:出光グリーンパワー、東北電力)、同1万kWの姫路発電所(同2014年3月、売電先:出光グリンパワーパワー、関西電力)が稼働中だ。
地熱発電では同社が蒸気を供給する「出光大分地熱滝上事業所」がある。同事業所は九州電力が発電出力2万7500kWで発電中。また同社も滝上事業所の未活用の熱水の有効利用を目的として、所内にバイナリー発電所を建設し2017年3月から発電(5050kW)を開始する予定だ。バイナリー発電は熱源となる水と低沸点媒体の2つの流体を利用する発電方式。従来よりも低い温度の蒸気、熱水で発電ができるという特徴がある。
この他、風力発電では二又風力開発(青森県、5万1000kW)が運転しており、出光グリーンパワー他に売電している。木質バイオマスとしては土佐発電所(6250kW、出光グリーンパワーに売電)が稼働。2016年4月には福井発電所(7000kW級)が運転開始する予定だ。
なお、出光グリーンパワーは出光興産が100%出資し2009年11月に設立した特定規模電気事業者。電力の売買・供給および環境価値の売買を行う。
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