乗り捨て可能なEVのカーシェアリング実証、20台の車両を神戸市に:電気自動車
神戸市で電気自動車や小型モビリティを利用したカーシェアリングの実証実験がスタートする。乗り捨て利用が可能なワンウェイ型のカーシェアリングなのが特徴で、実施事業者は六甲産業、日本ユニシス、ユビテック、三菱重工業の4社だ。
神戸市は2015年8月22日〜2016年3月末まで、電気自動車(EV)や小型モビリティを利用したカーシェアリングサービスの実証実験「sea:mo(シーモ)」を実施する(図1)。環境省が実施する「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の採択を受けたもので、実施事業者は六甲産業、日本ユニシス、ユビテック、三菱重工業の4社だ。
同実証は乗り捨て利用が可能なワンウェイ型カーシェアリングなのが特徴となる。車両の貸し出しポートを神戸市街地の観光スポットや商業施設、オフィス街など9カ所に設置(図2)。利用者は借りたEVや小型モビリティを、別のポートに乗り捨てても良いというシステムだ。さらに貸し出しポートは最終的に20カ所に拡大して、より利便性を高めるという。
利用できる車両は3種類。EVは三菱自動車「i-MiEV」、小型モビリティはトヨタ自動車の「COMS」と日産自動車の「NISSAN New Mobility Concept」。1〜4人乗りまでのさまざまな車種を用意し、利用者は用途に合わせた選択が可能だ。3車種合計で20台を投入する。
こうしたワンウェイ型のカーシェアリングを行う場合、車両が特定の貸し出しポートに偏ってしまうことでスムーズにサービスの運用が行えなくなる可能性もある。そこで今回の実証事業では、各貸し出しポートの状況を把握し、さらに車両の需給を予測するシステムを用いて車両の偏りを事前に予測することで、効率的なカーシェアリングの運用を目指す。
利用方法は、まず「神戸ハーバーランド umieモザイク」で会員登録を行う。その後スマートフォンなどから専用サイトにアクセスし、車両と乗り捨てるポートを予約する。会員証もしくは登録済みのICカードを車両のカードリーダーにかざすことで解錠や施錠が行える仕組みだ。利用料金は車種により料金が異なるが、15分ごとに250〜350円が加算される仕組みだ。
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