高速道路73kmに4300基のソーラー街灯、送電網のない地域で太陽光が生きる:太陽光
京セラとKyocera Solarはブラジル・リオデジャネイロの高速道路に約4300基のソーラー街灯を納入した。総出力は合計で3.2MW、年間発電量はブラジルの一般家庭約1527世帯の消費電力量に相当する合計2.8GWhを見込んでいる。これにより送電網がない地域の高速道路の電灯に電気を供給することが可能になった。
京セラとKyocera Solarは2015年8月20日、ブラジル・リオデジャネイロの高速道路に約4300基のソーラー街灯を納入したと発表した。京セラ製の太陽電池モジュールを搭載した独立型の街灯で、リオデジャネイロの主要な高速道路を結ぶ「Arco Metropoliano do Rio de Janeiro」に設置した(図1)。
これはリオデジャネイロ州政府の公共事業の一環で、ブラジルのSoter社が設置を行った。高速道路の全長145キロメートルの約半分以上に当たる約73キロメートルにわたってにソーラー街灯を設置している。
街灯に搭載された太陽光発電システムの総出力は合計で3.2MW(メガワット)。高速道路に設置された太陽光発電システムではブラジル最大になるという。年間発電量はブラジルの一般家庭約1527世帯の消費電力量に相当する合計2.8GWh(ギガワット時)を見込んでいる。これにより1583エーカー分の森林が吸収するのと同量のCO2排出量を削減できる。
さらに太陽光で電力を賄うことにより、送電網を持たなかった地域の高速道路の電灯へ電気を供給することが可能になった。国際エネルギー機関が発表した2013年の「世界のエネルギー見通し」によれば、ブラジルの一次エネルギー需要の45%近くが再生可能エネルギーで賄われている状況だ。このようにブラジルは再生可能エネルギーの利用が盛んな国で、中でも水力発電とバイオマス発電がその大部分を占めている。
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