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電力自由化は“バラ色の未来”をもたらすわけではない(前編)電力供給サービス(3/3 ページ)

電力自由化により、電気事業者はもうかり、消費者は安い電気代を選べる――。そんなバラ色の将来像は夢物語に終わるかもしれない。グローバルでエネルギー事業を展開するシーメンスは、電力システム改革における今後の展望と課題について解説した。

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ファイナンスの価値

 一方で、再生可能エネルギーの普及に大きな影響を与える存在がファイナンスである。太陽光発電などを含む再生可能エネルギーは、大きな投資が必要となる一方で、現状ではまだ高コストであり、財政面での難しさがある。これらを支える仕組みとしてファンドなど資金調達の取り組みを組み合わせて展開を進めることが当然のものとなりつつある(図6)。デイビス氏は「電力事業者から金融事業者への転進を図る動きなども出ている」と述べている。

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図6 エネルギーコスト(クリックで拡大)※出典:シーメンス

環境保護の動きは止められない

 今後の見通しについてデイビス氏は「環境保護の流れでエネルギーシステムの流れを変えようという動きは後戻りできないものになりつつある。特にエネルギーシステムの転換速度については、ファイナンスモデルと政府の規制の動向次第で決まるといえる」と述べている。

 さて、前編では日本の電力システム改革の前提でもあるグローバルのエネルギー産業の4つのトレンドについて紹介してきたが、後編ではこれらのトレンドを背景に、日本の電力システム改革がどのような課題を持っているかを説明する。

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