水没したクルマは発火や感電の恐れあり、エンジンをかけずに対策を:電気自動車
記録的な豪雨により関東周辺の複数の地域で水害が発生した。国土交通省などは発火や感電のおそれがあるとして、浸水・冠水被害を受けた自動車の取り扱いについてユーザーに対して注意を促している。
2015年9月上旬に記録的な豪雨が栃木県、茨城県、宮城県など複数の地域を襲い、現在も復旧が進められている状況だ。太陽光発電設備などが損傷している様子も確認されており、同年9月11日に太陽光発電協会はパワーコンディショナーや太陽光パネルと電線の接続部などは接触すると感電の恐れがあるため、発見した際は専門家に処理を任せるよう注意を促している。
⇒関連記事:水没した太陽光設備は専門家以外さわってはいけない
さらに太陽光発電設備だけでなく、浸水・冠水などの被害を受けた自動車の取り扱いについても国土交通省や日本自動車連盟(JAF)などが注意を促している。水に浸った車両は外観上問題がなさそうに見えても、電気系統のショートなどにより車両火災が発生するおそれがあるからだ。
国土交通省は浸水・冠水した自動車の扱いについて、以下の対策をとるよう呼びかけている。
- 自分でエンジンをかけない
- 使用したい場合は、自動車販売店もしくは最寄りの整備工場などに相談する
- 発火のおそれがあるため、使用するまではバッテリーのマイナス側のターミナルを外しておく
通行の妨げにならないよう、浸水・冠水した車両を移動させる必要がある場合は、エンジンをかけず。シフトレバーをニュートラルにして押して移動することが望ましい。特にハイブリッド車や電気自動車は、高電圧のバッテリーを搭載してるため、感電を避けるためにもむやみに触れてはいけない。
現在、日本南部の太平洋沖に台風20号が発生しており、週末にかけて関東・東北地域に接近する可能性もある。再び豪雨になることも予想されるため、二次災害を防ぐためにも水害に遭った太陽光発電設備、自動車も含めて再度取り扱いには注意したい。なお、JAFのWebサイトでは、もし自動車を運転中に水没してしまった際の対処法なども公開されている。
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- 水没した太陽光設備は専門家以外さわってはいけない
太陽光発電協会は2015年9月11日、豪雨被害で水没した太陽光発電設備が多く生まれたことに対し、初期対処法について発表を行った。感電の危険があるため基本的には電気工事士および電気主任技術者などの専門家に任せるべきとした内容だ。 - 増え続ける太陽光発電の廃棄物、2018年にガイドライン適用へ
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