ニュース
水素の「製造・貯蔵・供給」を一手に担う、九州初のオンサイト式ステーション:スマートシティ
九州地域初となる都市ガスを利用したオンサイト式商用水素ステーションの建設が福岡市ではじまった。西部ガスが建設する「東浜水素ステーション」で、2016年3月から運営を開始する。燃料電池車への供給に加え、水素製造設備を持たない他の水素ステーションにも水素を供給する。
西部ガスは2015年9月16日から福岡市の東区東浜に「東浜水素ステーション」の建設を開始した。燃料電池車(FCV)用の商用水素ステーションで、建設費用は約7億円。発注先は日本エア・リキードと大阪ガスエンジニアリングだ。2016年3月から運用を開始する(図1)。
同ステーションは、敷地内で都市ガスを原料にして水素を製造するオンサイト式を採用。完成すれば九州初のオンサイト式商用水素ステーションとなる。建設場所は西部ガスの旧福北工場用地内で、敷地面積は1300m2(平方メートル)。
水素製造装置で都市ガスと水を約800度の高温で反応させて水素を製造し、圧縮機で約80MPa(メガパスカル)まで昇圧して蓄圧器に貯蔵する。この水素をディスペンサーを通してFCVに供給する。水素の供給能力は1時間当たり300Nm3(ノルマルリューベ)、FCVへの充填(じゅうてん)圧力は70MPaで、FCVに5kg(キログラム)の水素を約3分で充填できる。
関連記事
- 2040年に化石燃料を代替する、「水素・燃料電池」の技術革新
自動車から電力まで化石燃料に依存する日本のエネルギーが大きな転換期を迎えている。新たなクリーンエネルギーとして水素の用途が広がり、CO2排出量の削減とエネルギー自給率の向上を一挙に実現できる可能性が高まってきた。製造〜貯蔵・輸送〜利用の各局面で国を挙げた取り組みが進む。 - 海外で作った「水素」が海を越えて日本へ、6年400億円のプロジェクト始動
NEDOは、海外の未利用エネルギーから水素を製造・貯蔵・輸送し、日本国内で利用する大規模な水素エネルギー利用システムの技術開発プロジェクトを開始する。水素を製造し海を越えて運搬する実証実験は「世界に先駆けたもの」(NEDO)だという。 - 府をまたいで水素を融通、京都と大阪に初の商用水素ステーション
京都府に府内初となる水素ステーションの設置が決まった。オフサイト方式の水素ステーションで、こちらも大阪府初となる商用ステーション「北大阪水素ステーション」から水素の供給を受ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.