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設備改修で発電量が増える、水車の見直しが年間90万kWhの電力に:自然エネルギー
北陸電力は水力発電を行う「奥山発電所」水車を改修し、発電所の出力を300kW増強したと発表した。これで同発電所の出力は11万300kWとなった。
北陸電力は水力発電を行っている「奥山発電所」(富山市奥山)の発電所の出力を300kW(キロワット)増強したと発表した(図1)。これで同発電所の出力は11万300kWとなった。北陸電力は今回の出力変更に伴い、2015年10月5日に電気事業法第9条第2項の規定に基づき、「電気工作物変更届出書」を経済産業省中部経済産業局へ届け出ている。
出力を増加した神通川水系の奥山発電所は1962年に運転を開始。水車型式は立軸単輪四射ベルトン水車で、発電機には立軸三相交流同期発電機を採用している。今回、水車の設備改修(水車羽根車の取り換え)に伴う性能確認試験結果により、発電所出力を300kW増加できることを確認したことから、出力を増強した。
今回の変更により発電電力量は年間約90万kWh(キロワット時)増加。これは一般家庭約250世帯分の年間使用電力量に相当し、年間550トンのCO2排出量削減効果が期待できるという。
北陸電力は新規水力発電所の建設や、既存発電所の設備改修などを進めることなどで水力発電電力量の拡大に取り組んでいる。2020年度までに1年当たり発電電力量1億kWh程度の拡大(2007年度対比)を目標に水力による発電量を拡大していく方針だ。現在開発を進めている水力発電所としては2016年5月から運転開始予定の「片貝別又発電所」(富山県魚津市)がある。同発電所の出力は4400kWで、年間の発電電力量は約1740万kWhを見込んでいる。
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