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家庭に再生可能エネルギーの電力を販売へ、新電力のイ―レックス:電力供給サービス(2/2 ページ)
小売電気事業者に合計4社を登録した新電力のイ―レックスが家庭や商店を対象にした低圧電力の営業活動を開始した。米国の電力小売会社と合弁事業を展開しながら、プロパンガスとセットで販売する新会社に加えて、再生可能エネルギーの電力を販売する新会社も年内に営業を開始する予定だ。
バイオマス発電所を西日本3カ所に
イ―レックスグループが販売する電力はガス火力と再生可能エネルギーが中心になる。主力の電力源は千葉県で運営する出力11万kW(キロワット)のガスコンバインドサイクル方式の発電設備である(図2)。さらに固定価格買取制度が始まった2012年から再生可能エネルギーの電力源を自社で開発して供給力を増やしている。
特に電力源として安定しているバイオマス発電の開発に積極的で、2013年に第1号のバイオマス発電所を高知県で運転開始した(図3)。続いて第2号のバイオマス発電所を2016年の秋に大分県で稼働させるほか、第3号を九州電力グループと共同で福岡県内に建設する検討を進めている。各地域のバイオマス発電所の電力はグリーン電力として販売する計画だ。
バイオマス発電所の建設に加えて、再生可能エネルギーの電力を買い取るサービスにも乗り出している。2014年6月には山梨県の太陽光発電所から電力の買い取りを開始した。固定価格買取制度を利用して発電事業者から高く電力を買い取って、環境負荷の低い再生可能エネルギーの電力を求める顧客に販売する(図4)。
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